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ヘルニア発症から1年。手術から回復まで

こんにちは、Shootです。

 

以前から腰椎椎間板ヘルニアのレポートを書いてきました。

発症から約1年、手術を経て少しずつ日常の生活が戻ってきたので、ここまで道のりを書いていこうと思います。

 

まず、自分が発症して気が付いたことが2つあります。

1つはあまりにも多くの人がヘルニア含め、座骨神経痛に苦しんでいるということ。

そして、もう1つは人によって原因、症状、経過がバラバラなこと、医者によって複数の見解があることで、

・この痛みは我慢するべきなのか

・痛みを緩和させるためにできることは何か

・手術を受けるべきか

・そもそも完治はするのか

 などの疑問がなかなか解消されないということです。

 

 

何を試しても改善が見られず、最終手段である手術を受けることになったのですが、1つの事例として参考になれば幸いです。

 

 

症状の出始め

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2018年10月中旬、小走りをした際、左ハムストリングに突然痛みを感じます。

初めは肉離れのような筋肉系の痛みだと思いました。

 

しばらくして病院の予約が取れたので、ドイツでHausarztと呼ばれる家庭医に診断してもらうと結果は梨状筋症候群。

お尻の奥にあり股関節を支える梨状筋が坐骨神経を圧迫し、疼痛が起きているとのこと。原因は座りすぎではないかと言われました。

 

結論から言うと、そのためのリハビリは功を奏することなく、スポーツ専門医の診断のもとMRIを撮り腰椎椎間板ヘルニアと判明。

 

ここで覚えておいてほしいことは、梨状筋症候群と診断されても実際はヘルニアが痛みの原因という可能性もあるということです。ネット上でもそのような例が報告されていましたが、自分自身もまさかヘルニアを患っているわけがないだろうと当時は考えていました。

 

 

その頃の主な症状としては、歩く動作時のハムストリング辺りの痛み、左脚の痺れ、長時間座るのが困難なほどの左臀部疼痛。さらにスポーツドクターに指摘されて初めて気が付いたのですが、前屈の体勢を試みると腰が全く曲がっていないのが特徴です。

また、僕の場合は立っている状態ではほとんど痛みがありませんでした。

 

 

治療およびリハビリ

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いよいよスポーツ医のもとで診察を受けると、次に緊急性を調べるために神経の検査をします。

これによって今すぐ手術する必要はないと判断され、保存療法、すなわちリハビリをしながら経過をみることになりました。

 

数ヶ月経つことで、椎間板からはみ出したクッションの部分が自然と引っ込む、もしくは体内で消化され、神経への圧迫がなくなるケースも多いようです。

僕は約4ヶ月間、週2回1時間ほどのリハビリトレーニングに加え、自宅での体幹、ストレッチを続けて少しの改善も見られませんでした。

 

ここで注目すべきは日によって痛みの強さにばらつきがあること。さらに腰の筋肉が硬くなっている時は比較的強い痛みを伴っていた印象があります。

 

 

突然の悪化

忘れもしない4月下旬。季節の変わり目で軽い喘息のような症状が出始め、咳をする度に腰に大きな負担が掛かっていました。

坐骨神経痛はみるみる加速、喘息が治る頃には立っているのも辛いほどに。何が辛いってつま先まで左脚の痺れがとにかく酷く、歩くたびにジンジンし、長時間正座した時の比じゃないくらい痛いのです。

ちなみにこの頃は病院で処方された痛み止め1、胃薬1と神経に効く薬2を飲んでいました。

 

 

最も辛かった時期の一日の始まりは最悪です。

 

朝目を覚ますと、一発気合いを入れてトイレまで歩き、その後バナナを頬張って薬を飲みます。

その後の30分間が地獄の時間。

居ても立っても居られない痛みという表現が正しいかわかりませんが、「痛い痛い」とと文句を言いながら部屋の中をただウロウロして消化と薬が効き始めるのを待っていました。

戦いが終わると、ベッドに横になり一旦休憩。

 

大学の講義を最後まで座っていることができず途中退室するようになり、そのうち家からほとんど出られない状態になります。

横になっている時にそれほど痛みを感じなかったのは不幸中の幸いでした。

 

いよいよ日常生活が送れなくなった僕は、病院へ駆け込み腰の神経根ブロック注射や脊柱起立筋辺りをほぐす機械を試すも効果はいまひとつ。

 

そして日本で手術を受けるため緊急帰国します。当然10時間以上も座っていられないので、痛み止めを多めに飲み、離着陸時以外はスタンディングで帰ってきました。

 

 

手術

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人生3度目の全身麻酔。

 

・術前の状態が酷く、長期間神経が圧迫されていたためダメージを受けている

・術前の感覚が頭の中に残り、脳が痛みの信号を出してしまう

・椎間板から飛び出した部分を100%取り出せるかはわからない

以上の理由から痛みが残る可能性は十分に考えられると先生から言われました。

 

手術直後、痺れた感覚は一切なく、ただ病院のベッドが硬くて腰が痛い。

翌日、寝っ転がった状態で、左脚を持ち上げられると臀部に激痛が。やはり痛みはそう簡単には消えないのかと絶望した記憶があります。

 

入院は2週間予定もなぜか4日で退院。

 

 

術後経過

予定よりかなり早く退院できたものの、数日前に大きな手術を受けたばかり。

1ヶ月くらいは体調が優れない日が続いていました。体力の衰えは顕著だったようです。

さらに術後3ヶ月は絶対安静との指示が。椎間板が安定するまでストレッチや軽い運動もできません。

 

肝心の坐骨神経痛に関しては、術後すぐに強い痛みを感じていたものの、歩いている時や座っている時の神経痛はすっかりなくなりました。

 

術後に残ったのは、前屈時の筋肉的な鈍痛と走ろうとする時や脚を振り上げる時の左臀部疼痛のみ。腰痛はおそらく長期間可動域が狭まり筋肉を使っていなかったこと原因とのこと。 

 

 

ようやく運動解禁されたのが9月。

それから1ヶ月間毎日ストレッチと体幹トレーニング、そして軽い筋トレを再開し、明らかに腰の可動域が広がり、以前よりも深く前屈ができるようになりました。痛みも少しずつですが、引いている気がします。

 

臀部の痛みも同様に腰の筋肉の影響なのか、どこかで少し神経を圧迫しているのか、はたまた梨状筋症候群なのかはわかりません。

しかし、痛みを感じるのはある特定の体勢をした場合のみ。

 ひとまず、日常生活を取り戻しました。

 

 

まとめf:id:shootDE:20191003010607j:plain

とにかく情報がないことや、痛みの原因、改善策が不確実なことが更なるストレスや不安を引き起こすと身を持って体感したので、今回僕の体験を共有しようと思いました。

 

藁にもすがる思いで、様々な体感トレーニングやストレッチを試しましたが効果はなく、最終手段である手術を受けざるを得ませんでした。

もちろん、完璧に元通りになるかはわからない。後遺症が多少残る可能性はあると先生から言われましたが、少なくとも普通に生活ができ、リハビリによって少しずつ改善が見られている状況です。

つまり、ここまで順調な経過を辿っていると言えるでしょう。

 

僕自身、インターネットや本でめちゃくちゃ調べたのですが、今まで考えられていたヘルニアの原因(椎間板から飛び出たクッションが神経を刺激している)は正しくなく、それが痛みの直接的な原因でないという見解もあるようです。

MRIで椎間板から飛び出ていることが確認できても痛みを一切伴わないケースがあるのだとか。

 

他には、筋肉ロックや仙骨関節の異常が原因という可能性もあり、ヘルニアの手術では改善されない人もいるそうです。(ちなみに仙腸関節の治療で有名な先生に問い合わせたところ予約が1年待ちと言われ、どれだけ多くの人が苦しんでいるのかを目の当たりにしました)

 

その一方で、僕が手術によってあの地獄のような坐骨神経痛から解放されましたのもまた事実です。

重要なことは様々な情報、そして多くの選択肢を持つことだと思います。

 

診断結果に納得をしていない人はセカンドオピニオンも1つです。

既にリハビリ中の人はお互いに根気よく頑張りましょう。

 

また、本格的にスポーツができるのを目標に。

 

 

それではまた!