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イーロン・マスク 未来を創る男 感想

こんにちは。

今回は『イーロン・マスク 未来を創る男』を読んで、イーロン・マスクとはどんな男なのかという切り口でざっくりと考察していきたいと思います。

 

 

これは長期に渡る取材によってマスクを詳細に記したノンフィクション書籍。 

注目は本人が執筆していないにも関わらず、ターニングポイントでの彼の焦燥感や当時の心情をはっきりと読み取れることです。

 

 

さて、スティーブ・ジョブスの後継者との呼び声高いイーロン・マスクですが、昨年は彼の発言がテスラ株を大きく変動させるなど、何かと世間を騒がせましたね。

 

しかしながら、彼はまさにタイトル通り「未来を創る革命者」である。

これが、僕がこの本を読んで出した結論です。

 

彼のビジョンはとんでもなく大きなもので僕らの想像を遥かに超える。

その計画が順調に進むのか、世間の理解を得られるのかは置いておき、少なくとも彼は本気で自分の役目を全うするだろうということです。

 

彼の性質や性格をポイントごとにみていきます。

 

「強迫観念」

本文の中に「私は生まれつき強迫観念に囚われている」という一文があるが、この本の中から彼の焦りを随所に感じます。彼を理解しようとする上で忘れてはならない要素だと思います。

しかし、見方を変えれば、彼は時間に関して極端に厳しく、何をするにもスピードにこだっていることがわかります。

 

これを象徴するのは、僕らがこれまで何度も目にしてきたテスラ生産遅れのニュースでしょう。

この原因はプロジェクトの締め切りを不可能なほど手前に設定することですが、彼の中では設定した期限を守ることよりも結果的に早く目標を達成すること大事で、従業員に無理なプレッシャーをかけ、自らもハードワークするという手段を取ります。 

 

「合理性」

上記の内容とも重なりますが、プロセスよりも結果に重きを置く、合理性を徹底しています。

ここで紹介したいのが、長年支えてきた秘書をあっさりと解雇したという衝撃のストーリー。マスクは彼女に2〜3週間休みを取らせ、その間に自分で仕事をやってみて判断したという。

何と冷酷なんだと思いますが、ここで注目すべきは長年右腕として働いてきた忠誠心のある秘書をも自分が非効率と思えば、解雇するということです。

 

「絶対的な自信」

彼の大胆な行動は全て、異常なほどの自信が可能にしているのでしょう。

彼は経営が安定する前に新しい事業にどんどんお金をつぎ込むなど、リスクを一切顧みません。これにより、しばしば切羽詰まった状態になりながらも急速な事業の拡大を可能にしています。

 

もう一つ自信に関連して、彼は登壇の際、一切練習を行わないそうです。ぶっつけ本番、そこには時間を割かないといいます。

ちなみにスティーブ・ジョブスがプレゼンの準備を入念にしていたのは有名な話。

ツイッターの発言といい、もう少し自分の影響力を気にかけるべきではという指摘は正しいでしょう。

 

「壮大なビジョン」

彼の手掛ける業界は電気自動車、宇宙(移住計画や人工衛星)、ソーラーエネルギー。

中にはハッタリ野郎や金の亡者など辛辣な声もありますが、彼の関心は常に「より良い未来」へ向いています。

テスラの全特許をオープンソース化したことからもわかるように、決して自分の利益のためではないのです。

 

 

この本を読んで私が強く感じたことは彼の純粋さです。

絶対的な自信やハードワーク、極度の没頭状態など、他の成功者と同じような特徴が

見られますが、中でも小さな損得勘定に振り回されず全身全霊をかける様はとても魅力的に思えました。

 

今後、さらに世間を賑わすであろうイーロン・マスク。自伝ではなく、様々な視点から描かれた(複数インタビュイー)マスク像を知ることができる良書でした。

 

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