サッカー選手も出資する仏スタートアップ Sorare とは
こんにちは、Shootです。
今回はブロックチェーン技術を用いたファンタジー・フットボール・プラットフォームを運営する Sorare を取り上げます。
ファンタジー・フットボール・プラットフォームとは
冒頭でファンタジー・フットボール・プラットフォームと紹介しましたが、Sorareが提供するのはSO5と呼ばれるサッカーゲーム。
公式の実名選手デジタルカードを取引し、各ポジション一人ずつ配置してチームを構成、トーナメントに参加してスコアを競い合います。
特徴はブロックチェーン技術(Ethereum)を用いて取引が行われることに加え、週末に行われる現実世界の試合結果に応じてスコアが変動することでしょう。
この現実世界と並行する「リアルタイム性」という要素によって、そこに没入感が生まれるわけです。
資金調達
SorareはCEOニコラ・ジュリア氏とCTOアドリアン・モンフォール氏によって2018年に設立されたパリに拠点を置くスタートアップです。
ブロックチェーン技術をスポーツビジネスの分野に応用したことでベンチャーキャピタルや個人投資家から注目を集めました。
直近のシリーズAでは、これまでにUberやTwitter, eBayに投資した米ベンチマークキャピタルを筆頭にフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンやドイツ代表マネージャーでDFB(ドイツサッカー協会)幹部のオリバー・ビアホフ氏が出資。
Sorareは同ラウンドで合計約5000万ドルを集めています。
他にも公式サイトには有名なサッカー選手や名門VCが名を連ねます。
PMFも達成か
HandelsblattによるとSorareのコンセプトは市場に受け入れられているとのこと。すでに約8万人のユーザーを抱え、月間75万ユーロの売上を計上しています。
ライセンス取得済みのクラブ数は現時点で126に及びますが、このブロックチェーンゲーム企業の更なる飛躍にはより多くのビッグクラブの承認が必要となるでしょう。
また、前述のビアホフ氏はインタビューの中でスポーツ界のデジタル化の好例であるとし、特に現在のような状況下でファンとサッカーをアクティブに繋ぐ素晴らしい可能性だと述べています。
Jリーグも参加
昨年8月、JリーグとSorareはJリーグクラブに所属する選手のデジタルカードを発行し、プラットフォーム上で使用することに合意しました。
それに際してCEOニコラ・ジュリア氏は以下のように述べています。
「サッカーは日本で2番目に大きなスポーツであり、日本サッカー協会の熱心な戦略のおかげで急速に成長しています。私たちは、私たちのゲームを通じて、Jリーグと日本サッカーがヨーロッパやアメリカ大陸でさらに輝くためのお手伝いができることを誇りに思います。今回の合意は、トップ20のリーグが参加するグローバルなファンタジーサッカーゲームを実現するというビジョンに向けた重要な一歩となります。」
ちなみにJリーグはKリーグに次ぐアジア2番目のリーグとのこと。
ライセンスビジネスとしてどのような契約かはわかりませんが、Jリーグの新たな収益源という観点からもSorareの更なる発展に期待したいです。
まとめ
資金調達からサッカー界の熱視線はもちろんのこと、投資家による注目の高さが窺えます。
その要因の一つはブロックチェーン技術を用いたゲームにスポーツ、サッカー領域を掛け合わせたこと。
さらにこの段階で順調に登録ユーザー数を伸ばし、すでに収益化を達成できている点は注目に値するのではないでしょうか。
最後に筆者個人的に思ったことが二つあります。
一つ目は、市場ポテンシャルの大きさが計り知れないということ。アジアではKリーグ、Jリーグのライセンスを取得したことからもわかるように、全世界のサッカーファンを対象としています。
二つ目はリアルサッカーとの相性が良い秀逸なモデルであること。ゲームのユーザーは実際の試合への関心を高めることになるので、時間の奪い合いではなく相乗効果を見込むことができます。
以上の点を踏まえ、今後の展開にも注視していきたいと思います。
それではまた!