初心者のためのeスポーツのキホン
ライプツィヒ大学でスポーツマネジメントを専攻し半年以上が経ったが、講義やゼミでe-Sportsというテーマは何度も出てくる。
— Shoot🇩🇪スポーツマネジメント (@outputde) 2019年4月18日
以前からなんとなく認識はしていた。しかし、その認識をはるかに上回る市民権を得ていることを知った。
こんにちは。Shootです。
以前に上記のようなツイートをしたのですが、eスポーツのことを知れば知るほど、今まさに進化と変化を続ける興味深い市場だと分かってきました。
今回は簡潔に大枠を理解してもらうため重要な情報をピックアップしてみました。
目次
まずはこの動画をご覧ください。
The Cathedral of Counter-Strike - ESL One Cologne 2018 (Official Aftermovie)
会場の雰囲気がまさにスポーツの大会ですよね。驚きました。
日本ではまだ一部のファンを中心に盛り上がっている印象ですが、世界では最も勢いのある最新スポーツなのです。
アメリカでは専門企業や団体が組織され、産業として成り立っています。また、お隣韓国や中国でも既に大きな発展を遂げ、アメリカ同様に市民権を獲得しています。
eスポーツの定義
eスポーツとは、「Electronic Sports」( エレクトロニック・スポーツ)の略称で、ゲームを用い、ルールのもとに対戦し、勝敗を競うものです。
出典:eスポーツのすべてがわかる本
JeSU*1が掲げる公認条件
- ゲーム内容に競技性が含まれること(競技性)
- ゲームとして3ヶ月以上の運営・販売実績があること(稼働実績)
- 今後もeスポーツとして大会を運営する予定があること(大会の継続)
- eスポーツとしての大会の興行性が認められること(興行性)
出典:JeSU 公認タイトル規約
https://jesu.or.jp/contents/license_system/
なぜプロゲーマーがアスリートなのか
ゲームがスポーツと捉えられるようになった要因を考えていきます。
まず始めに知っておくべきこととして、英単語「sport」と「game」はどちらも「競技」「娯楽」という概念を含み、私たちが普段使用する外来語「スポーツ」と「ゲーム」ほど乖離していないということ。確かにどちらも動詞「play」を用いますね。
したがって、「スポーツ」の範囲が広いことが挙げられます。チェスやポーカーが「マインドスポーツ」と呼ばれていることも忘れてはいけません。
その前提条件に加えて、eスポーツはチームプレイや戦術を駆使して勝敗を競うこと、そして観客に感動を与えることがポイントです。一流のプレイに観客が熱狂する様はスポーツと同じでしょう。
ジャンルと世界5大大会
eスポーツとしてプレイされているジャンルは以下の通り
・マルチプレーヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)
・ファーストパーソン・シューティング(FPS)
・スポーツゲーム(SPG)
・コレクタブル・カードゲーム(CCG)
・格闘ゲーム
・スマホゲームアプリ(日本)
世界のeスポーツ5大大会
①Intel Extreme Masters
主なゲーム:「スタークラフト2 」「リーグ・オブ・レジェンド」他
②World e-Sports Games
主なゲーム:「カウンターストライク」「スタークラフト2」「Dota2」「ハースストーン」「ウイニングイレブン」他
③ESWC(ESports Eorld Convention)
主なゲーム:「オーバーウォッチ」「ハースストーン」「FIFAサッカー」「フォートナイト」他④Evolution Championship Series
主なゲーム:「ストリートファイターVアーケードエディション」「鉄拳7」「大乱闘スマッシュブラザーズ」「GUILTY GEAR Xrd」
⑤Major League Gaming
主なゲーム:「オーバーウォッチ」「コール オブ デューティ」「ギアーズオブウォー」他
出典:eスポーツのすべてがわかる本
市場規模
ビデオゲームリサーチ会社Newzooによると、世界のeスポーツ市場規模は$1,096milion、日本円にしておよそ1206億円。
2022年には1,790Mに達する見込みで、近年は毎年20〜30%の成長率を記録しています。
総収入はメディア放送権利使用料収入、広告収入、スポンサーシップ収入、商品化収入、チケット収入、ゲームパブリッシャー収入の合計。
さらに興味深いのが右の円グラフ。なんとアメリカは全体の37%である$409Mを生み出しています。
日本はeスポーツ後進国?
世界の任天堂、SONYを輩出したゲーム大国日本は意外にも、eスポーツ産業では出遅れているのが現状。
日本でのゲームに対するイメージの悪さや家庭用ゲーム機やアーケードゲームがブームを起こした背景など様々な要因が挙げられますが、一番のネックになっている部分は法規制でしょう。
例えば、海外のメジャーな大会では賞金が1億円を超え、2018年には最高総額28億、優勝賞金12億に達した大会もあります。
そんな中、日本では高額賞金を提供することが景品表示法に引っかかり、また、刑法(賭博罪)という観点からもアウトになる可能性が。
さらには大会のための会場利用も風俗法という壁が立ちはだかるのです。
より詳しく知りたい方はこちらを参照「ゲーム大国」日本が世界のeSports市場で遅れをとっているのはなぜか | eSportsビジネスの波に乗れ! | ダイヤモンド・オンライン
しかし、2018年はeスポーツ元年と言われています。
その理由は、
・国内のeスポーツ団体が統合され、世界大会がいくつも日本で開催
・JリーグやNPB(日本野球機構)がesportsに参入
・大手国内企業がeスポーツを通じたマーケティング活動を開始
・多数のメディアで取り上げられる
実際に2018 年日本 e スポーツ市場規模は 48.3 億円と推定。
株式会社Gzブレインによるとこの数字は前年比の13倍です。
今後も2022 年には 99.4 億円にまで市場が拡大すると予測されます。
まとめ
2019年5月、海外のeスポーツシーンとの連携を促すために、JeSUに加えて「一般財団法人 日本esports促進協会(JEF)」が発足しました。
日本で、そして世界でeスポーツ市場はまだまだ発展途上で今まさに変化し続けています。今回の記事では基本的なことしか紹介できませんでしたが、発展に伴う新たな仕事や需要など、よりビジネス的な視点でもeスポーツの未来に注目です。
※この記事は『eスポーツのすべてがわかる本』黒川文雄 を参考にしています。
eスポーツについてより詳しく知りたい方に是非オススメです!
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*1:一般社団法人日本eスポーツ連合 Japan esports Union