絶対的信頼を勝ち得た長谷部誠 現地メディアは彼をどう取り上げているのか
Wie nah kann man an einem Finale dran sein?!#SGEuropa #CHESGE pic.twitter.com/uVwTJpnFmE
— Eintracht Frankfurt (@Eintracht) 2019年5月9日
惜しくもチェルシーに敗れEL決勝進出を逃したフランクフルト。観客席を埋め尽くし大熱唱する情熱的なファン、その勢いを受けて果敢にチェルシーに挑んだそのチームの中心にはベテラン長谷部誠選手がいます。
まずはこちらをどうぞ。試合後のドイツ語インタビュー動画です。Nicht zufrieden, aber stolz (満足はしていないが、誇りに思う)
アディ・ヒュッター監督が「彼はワインのようだ。歳を取るごとに良さが増す」と大絶賛したことが話題になりましたが、チーム内で絶対的な信頼を築いていることは間違い無いでしょう。
今回はそんな35歳となった長谷部選手を現地メディアはどう取り上げているのかというテーマで、今年の記事をいくつかピックアップしてみたいと思います。
記事の要約
1月22日BILDの記事では好調の要因として、バスソルト入浴法、日本食、そして日々の身体のケアを挙げています。
また、話題は移りポジションについて。今までにキーパーを含めほぼすべてのポジションでプレーした経験があること、そして現在はリベロが年齢的にも最適だと述べています。
記事の終盤、再び25歳に戻りたいかという問いに対し、鬼軍曹マガトの元であの過酷なトレーニングをするのは想像できないと笑いながら答えています。
3月27日sport.deの記事。ここでは長谷部選手のコメントが多く引用されており、前半部の「これまでブレイクして傲慢になっていくプレーヤーを見てきた」というエピソードやそれを反面教師に規則正しい生活を送っていること、そしてリベロが自分に合っていて、今最も状態が良いことを打ち明けています。
4月4日のこちらの記事では、35歳のベテランはフレンドリーで慎重。また、謙虚さは日本人的気質だと前置きをし、その後の「絶対にチャンピオンズリーグで再びプレーしたい」という力強いコメントを強調しています。
「ヨヴィッチ?レヴィッチ?違う!なぜ日本から来たベテランがフランクフルトの影のスターなのか」というキャッチーな見出しの4月18日の記事では、アジア最優秀国際選手に選ばれたことを取り上げ、プレーヤーとしてだけでなく彼のプロフェッショナルな姿勢も評価しています。
また、記事の中では彼のインスタグラム投稿も紹介。
そして話題はポジションについて。以前はサイドハーフやディフェンシブミッドフィルダーとしてプレーしていたが、なぜリベロがフィットしたのか。
その問いには「このポジションは予測とタイミングが重要。自分には得意」と回答しています。
言わずと知れたFrunkfurter Allgemeineからはアイントラハトの頭脳という見出しで、彼の強みとリベロでプレーするアドバンテージを紹介。
こちらは最新、ZDFの長谷部特集。
序盤では彼の著書『心を整える』についても触れ、習慣と規律に賛辞を送ると、次にヨーロッパリーグチェルシー戦ピッチ上で最年長という話題へ。
「今季47試合中40試合のみ出場」とさらに試合数を重ねることができたことを強調。というのもシーズン序盤、新監督であったヒュッターは長谷部を構想外とみなしていたからだと。そしてこれを監督は致命的なミスだったと訂正しています。
現代的なリベロの役割として、彼は走行距離が明らかに短くなった一方で、1対1の勝率、パス成功率が向上。
毎日ストレッチなどの体のケア、交代浴、健康的な食事に気を遣うプロフェッショナルは非の打ち所がないとまで言わしめます。
また、試合中闘争心剥き出しになることや審判とディスカッションをすることを好むという一面も紹介。これらは彼の野心ゆえであると説明しています。
まとめ
ここまで記事をざっと要約してきましたが、明らかに35歳という年齢に注目が集まっていることがわかりました。
さらにこの年齢で高いパフォーマンスが発揮できる要因はどこにあるのか。ここで挙がってくるのがリベロというポジションと彼の適正、加えて身体のケア、入浴、食事などの徹底的な自己管理能力。
この自己管理能力をはじめ、誠実さや謙虚さなど彼の人間性は、関係者誰からも真のプロフェッショナルだと高く評価されています。こうしてドイツで11年間積み上げてきたことが周りの選手やスタッフ、サポーターからの絶大な信頼として、そして今の成熟したトップパフォーマンスとして現れているのだと思いました。
長谷部選手の更なる活躍に期待しましょう。