German Sport Management

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ブンデスリーガクラブの講演会に行ってきました

こんにちは。

 

昨日大学のキャンパスでスポーツ学部生向けにキャリアフォーラムが開かれました。

いくつかのスポーツ企業がブースを出し、ドイツオリンピック協会やRBライプツィヒなどの団体関係者の講演会も行われました。

 

 

僕が聴講したのは、ヴォルフスブルクのクラブスタッフ(ライプツィヒ大学の卒業生)、そしてRBライプツィヒの元社長の話。

どちらも1時間くらいのライトな講演だったのですが、面白かった部分をピックアップして軽くまとめたいと思います。

 

 

ヴォルフスブルク

テーマは'Cooporate social responsibility im Sport'

 

主に社会学の範囲で、クラブが地域とどう関わるかという観点から話していました。

 

具体的には、市民との交流イベントだったり、クラブ所有の大学だったり。

サッカークラブとその地域との結びつきはクラブ発展する上で非常に大事だと改めて実感しました。

 

他に印象に残ったのは、クラブとスポンサーの関係。

ヴォルフスブルクはフォルクスワーゲンという巨大な企業からサポートを受けていますが、当然それ以外の企業とも契約を結んでいます。

ひと昔前はほとんどスポンサー契約を結んでいなかったものの、ここ10年でサッカーのビジネス化が大きく進んだと言います。

というのも、ここ数年でサッカー産業全体でスポンサーシップや広告業などマネタイズの幅が広がったからだそう。

 

また、経済界での中国の台頭は大きな影響を与えていると言っていました。 

 

最後に今後も経済的にブンデスクラブは大きくなっていくのかと質問したところ、一概には言えないが、少なくとも大きいクラブはその傾向が続くだろうとのことでした。

 

 

日本のサッカー産業も今後活性化していくでしょう。スポーツ全体の予算も以前と比べて増えました。

 

 

さらにより長い目で見れば、シンギュラリティが騒がれているように私たちの生活リズムは変化するでしょう。

単純作業は機械化され、より効率的に働くことになると思います。

そうすると今より自由な時間が増えて、ますますエンタメ産業の需要が増します。

サッカー産業にとっても追い風ですね。

 

 

RBライプツィヒ

'Traumjob Bundesliga' Jobprofile and Organisationsstrukturen eines Bundesligisten 

こちらは少し抽象的な話になりますが、夢の仕事と題してブンデスクラブの構造を紹介していました。

RBライプツィヒは2009年にレッドブルが地元の5部クラブを買収し、わずか10年でブンデスの強豪に。

2016/17シーズンには昇格組ながらリーグ戦2位でフィニッシュ、CLの出場権を獲得しています。

 興味深かったのは、最新鋭の設備。

新しい施設、整った選手たちのトレーニング環境は言うまでもなく、食堂などオフ時のサポートも充実しています。注目すべきは以下の2つ。

・下部組織の選手向けに学生寮があること

・1軍選手はクラブ施設にプライベートの部屋を持っていること

 

 

また、面白いデータを紹介すると、国内で人気なクラブランキングでは、RBライプツィヒはバイエルン、ドルトムントについで3位。

この上位2チームは圧倒的なのですが。

 

そして、好かれていないチームランキングでは2位。

一位は言うまでもなくバイエルンです。

 

ここで言えるのは、みんなから好かれることはなく、より有名で人気のあるチームはその分多くのアンチも存在するということ。

 だからこそ試合が盛り上がるわけですね。

 

 

最後に従業員の話。

現在RBライプツィヒでは総勢400人以上が働いているそう。一見するともの凄い人数に感じるが、実は他のビッグクラブと比較すると少ないらしいです。

多いところは700人くらい雇われているとか。

ブンデスリーガの規模の違いに圧倒されました。

 

 

質問コーナーでは、学生向けのキャリアフォーラムということで、インターンの話になりました。

 

ちなみインターン採用は7、8、9人くらいを考えているそう。

その選考では、大学の成績よりも幅広い経験が求められるらしいです。

具体的には、他のインターンの経験や海外留学など。ドイツでは、インターンシップを複数回行う学生もいます。また、日本とは違い、長期インターンが大学のカリキュラムに含まれていることも多いです。

 

とは言え、選考基準はどこの国も同じですね。

 

 

今回の講演で具体的なクラブの経営方針や徹底したチームのコンセプトについて聴けなかったのは少し残念。

 というのも、RBライプツィヒはレッドブルに買収されたただの金満クラブという世間一般のイメージとはわけが違うからです。

 

簡単に説明すると、戦術はゾーンでのハイプレスから縦に速いハイインテンスなサッカーを徹底しています。故に認知力のトレーニングまで行い、局面での判断力を高めているほど。

また、優秀な若手のみ獲得し、完成された有名選手を一切獲得しないのもこのコンセプトを徹底するため。

 

この時点で既に興味深いですよね。

 

フットボリスタで面白い記事を見つけたのでリンクを貼っておきます。

www.footballista.jp

 

 

 

さてさて、まとめると、今回の講演会は僕にとって非常に有意義なものになりました。ブンデスリーガの関係者から話を聞ける機会なんてなかなかないですからね。少人数で質問ができたことも運がよかったです。

 

今後も情報を集めつつ、積極的に色んな場所へ足を運びたいと思います。アウトプットも忘れないように。

 

それでは良い休日を〜