3段階で増築可能!ドイツ4部の画期的なスタジアムとは
こんにちは、Shootです。
今日はドイツのユニークなサッカースタジアムを紹介します。
ドイツサッカーと言えば、圧倒的な観客数を誇ることで有名ですね。
ブンデスリーガ1部では毎試合スタジアムの90%以上が埋まり、平均しても4万人以上のファンが熱気に包まれたスタジアムで一喜一憂しているわけです。
多くの観客がスタジアムに訪れる理由は多岐に渡ります。
コンテンツ力はもちろんですが、リーズナブルなチケット価格、スタジアム設備、それに加えて歴史的・文化的な背景、行政との連携など様々な理由が重なり合っているのが現状でしょう。
ところで今日紹介するのは、ドルトムントやバイエルンのようなトップクラブではなく地域リーグに所属するクラブ。
ドイツ4部に相当するRegionalliga West(地域リーグ西)で2020年10月27日現在首位を走るRot-Weiß Essen(以下RWエッセン)のホームスタジアム''Stadion Essen''です。
Rot-Weiß Essenとは
少しだけクラブの説明をすると、本拠地はドイツの西側ノルトライン=ヴェストファーレン州の都市エッセン。歴史的には工業地域として繁栄したルール地方に位置し、サッカーファンならお馴染みのゲルゼンキルヘン、ボーフム、ドルトムントが同じエリアに存在します。
実はRWエッセンはブンデスリーガ創設前の1955年にドイツ王者になったこともあり、ドイツ国内では比較的知名度が高いです。
直近でブンデスリーガ2部に所属していたのは06/07シーズンでそれ以降は主に4部を主戦場としています。
Stadion Essen
1.: Anpfiff – Bühne frei für #RWERWO! 🇮🇩 pic.twitter.com/VX4sD0vA5C
— Rot-Weiss Essen (@rot_weiss_essen) 2020年10月24日
さて、本題へ移ります。2012年に''das Stadion Essen''と呼ばれる新たなスタジアムが誕生しました。
このスタジアムは前述のRWエッセン以外に女子サッカーのSGS Essenがホームスタジアムとして使用。また、コンサートなどのイベント会場としても使われています。
そして当然、DFL(ドイツサッカーリーグ機構)が定めるブンデスリーガ参加基準を満たしています。
しかしながら、地域リーグのモダンなスタジアムにただフォーカスしたいわけではありません。その特徴は3段階の増築プランにあります。
第1段階
いわゆる一階建スタジアムで、それぞれの観客席ブロックが分かれているタイプです。
席数は32列、合計約2万人収容可能。
この段階ではおおよそ9.000の立ち見席、11.300の座席、136のプレス席、1.061のビジネスシート、290のボックス席と38の車椅子席があります。
第2段階
次の段階ではそれぞれのブロックを繋ぐカーブの部分を増築します。これにより、約5.500の新たな席を確保できるそう。
第3段階
第3段階では二階席を増築予定。最終的には約35.000人収容のスタジアムへと姿を変えます。
つまり、クラブが昇格してカテゴリーが上がるごとに増築、その時に必要なキャパシティに応じて進化していくという画期的なスタジアムです。
まとめ
このスタジアム構想は非常に興味深いと思いました。
クラブの発展に伴い増築されるスタジアムは珍しくありませんが、最初からその想定で設計されたスタジアムはなかなかない気がします。それもこのカテゴリーで。
とは言え、地域リーグクラブだからこそこのスキームの恩恵を最大限に享受できるとも思います。
参考にすべきは長期的ビジョンを掲げた新興クラブでしょうか。
今回は莫大なコストのかかるスタジアム建設における1つのアイデアを紹介しましたが、Jリーグクラブにとってもヒントになるかもしれませんね。
現在、ヨーロッパはコロナの再拡大で再びイベントの規制へと向かっています。この厳しい状況を乗り越え、スタジアムに満員の観客が戻ってくることを祈ります。
それではまた!