RBL社長の声明からブンデスクラブの状況を読み解く
こんばんは、Shootです。
早速ですが現在、ドイツ国内での感染者数が1万人を超え、イベントの自粛だけではなくフィットネスジムや映画館など街では閉まっている店も見かけます。ここ数日のうちに事態は大きく変化し、先が読めない状況と言えるでしょう。
そんな中、18日RBライプツィヒ社長 Oliver Minzlaff が公式サイト上で現在の状況について声明を発表しました。
今回は彼の声明から読み取れるブンデスリーガ クラブの状況を把握するという趣旨で進めていきます。
要約
詳しく見ていく前に、声明内容をざっくりと要約します。
リーグ
ブンデスリーガ は現在、第27節のみ中止の発表しているが、3週間後に再開し、満員のスタジアムで良い雰囲気の中試合が行われるとは考えていない。
後日開かれる会議によって今後の方針が決まり、全てはその時のコロナの状況次第である。
クラブの責任
多くのクラブは250-800人を雇う中小企業である。
中断の影響は凄まじく、経済的な削減をもたらす。
ユーロ延期
リーグはまだ少し決断まで時間がある。シーズン最後までプレーできるかどうかはユーロ延期ではなく、パンデミックの状況に依存する。
また、私たちは6月30日までシーズンを引き延ばす柔軟性がある。
トレーニング
金曜日に集まり、今後の動きを確認する予定。
現在、選手はコンディションを維持するため自宅でのトレーニングプランを与えられている。
しかし、社会でサッカークラブとしての役割を真剣に受けとめ、状況を軽視せず、リスクを最小限に抑える方法を検討している。
削減
400人以上の従業員を抱えているが、クラブの最優先は誰も解雇しないこと。従業員全員が仕事を続けることにこだわる。
大幅な削減と節約に加え、必要のない投資と戦略的キャンペーンのキャンセルなど、数日間で一連の処置をとってきた。
支払い能力
スタートアップとして私たちもいくつかクレジットを借り入れた。スポンサーシップ収益、TVマネー、チケット収入、これら全ては過去のもの。いくつかのシナリオを想定しているが、それら全てに合わせてキャッシュを確認する。
ソーシャルサポート
削減は残念ながら、外部費用を一切発生させないことを意味する。しかし、もちろんこの都市に大きな責任があり、それを自覚している。
まずは自らの課題に向き合う必要があって、それをコントロールしたのち大きなサッカークラブとしていかに人々を助けることができるのか、取り掛かるつもりだ。
経済状況が窺える部分をいくつかピックアップ
Denn umso länger diese Phase geht, desto existenzbedrohender wird sie für einige Vereine.
このフェーズが長引くほど、一部クラブの存在が脅かされる。
健全経営で有名なブンデスリーガクラブにとっても深刻な状況であることがわかります。これと関連して以下の文章をご覧ください。
Es gäbe dann möglicherweise den einen oder anderen Klub, der ein größeres Problem hätte.
場合によっては、より大きな問題を抱えるクラブがあるかもしれない。
ここで比較対象になっているのは前文の（リーグ中断によってもたらされる）大規模な経済的削減です。
つまり、リーグ再会がなされない場合は「大規模な経済的削減」よりも深刻な問題を抱えるクラブが出てくる可能性を明言していることになります。
Auch wir müssten bereits drastische Einschnitte vornehmen. Jeder, der weiterhin glaubt, dass Red Bull jedes Loch stopfen kann, liegt falsch. Irgendwann kann auch RB Leipzig die Aussetzung der Bundesliga nicht mehr wirtschaftlich auffangen.
私たちもまた、抜本的なコストカットをしなければならない。レッドブルがどの穴でも塞ぐことができると信じている人は間違っている。どこかのタイミングでRBLもブンデスリーガのサスペンションを経済的に補えなくなるかもしれない。
レッドブルグループであるRBLも他クラブと同様に苦しい状況であることは変わりないということでしょう。
その証拠に以下のことを明言しています。
Wir werden für 2020 keine Neueinstellungen durchführen.
2020年は新たな従業員の募集を行わない予定だ。
実際にその方針を進める中小企業は多いかもしれませんが、このタイミングで表明するのは異例でしょう。
Wir können logischerweise nicht auf unbestimmte Zeit alle Gehälter pünktlich überweisen, wenn die Einnahme ohne den Spielbetrieb auf Dauer ausbleiben. Das ist einfache Mathematik. Die gilt bei RB Leipzig genauso wie bei allen anderen Vereinen.
長い間試合が行われず、収益が発生しない時、論理的には期限通り給料を振り込み続けることは不可能。簡単な数学だろう。これは他のすべてのクラブと同様にRBLにも言えることである。
具体的な給料に関してもここでは触れられています。
国外リーグでは今季の選手年俸を下げることが決まったクラブもあるようですが、人件費のかかかるクラブ経営ではキャッシュの停滞が響くでしょう。
まとめ
今回の記事が、現在のRBライプツィヒの方針とブンデスリーガクラブの状況を大まかに把握するのに役立てば幸いです。
上述のように、給料の問題はどのリーグ、クラブでも直面していることだと思います。
個人的なところでは、所属するサービスセンターが一時的にクローズ、上司数人が個別対応していますが、元々見込まれていた出勤に対する補償などまだまだ不透明なことが多い状況です。
補足で注意すべきポイントは2点
・内容はプレスリリースがあった18日の状況で日々変化しているということ
・ブンデスリーガの1クラブであり、かつ公になっている情報。よって、個々の直面している詳細な問題まではわからないということ
また通常通り試合が行われるためにも一刻も早いコロナ終息を願いましょう。
それでは。
