外国語で電話対応する際の7つのテクニック
こんにちは、Shootです。
今日はここまで必死になって検証に検証を重ね効果を実証した、外国語で電話対応をする際のテクニックを紹介します。
電話を切る直前の相手の満足度が圧倒的に変わるので、外国語で電話をする機会がある人は是非試してみてください。
電話に限らず日常会話にも応用できる部分があるかもしれません。
経緯
なんでまた急にこんなことを言い出したのかという話から始めます。
これまでにも何度か記事に書いているのですが、昨年RBライプツィヒのサービスチームにジョイン。
僕らのチームの主な業務はカスタマーサポート。市内ファンショップや試合日の運営などいくつか仕事がありますが、その中でもメインはオフィスでの電話・メール対応です。
すでにお察しの方もいるかと思いますが、この電話対応という業務が外国人にとってなかなか難易度が高いのです。
正直なところ相手の話を100%理解することはまず不可能でしょう。
非ネイティヴというハンディキャップに加えて、強いアクセントや方言、更には劣悪な電波状態など様々な強敵が潜んでいます。
身振りや表情を窺えない電話対応に限っては、その声を解析できなければ詰んだも同然です。
さて、ここまで軽快に綴ってきましたが、事は深刻です。
昨年12月の話。数回の研修を受け、ついに実践初日。これまで教わったことを全て復習、咄嗟に答えるフレーズをイメージし、ポッドキャストを1.5倍速で聴きながらリスニング対策もバッチリです。
ところがどっこい、結果はむなしくも惨敗でした。
ただ単語を知らないがために相手の意図が掴めないことや逆に特別難しくはないフレーズでも話し方によって聞き取れずに何度も聞き返してしまうなど、相手を不愉快にしてしまうことが何度もありました。
終始、同僚に頼りっきり。こんな感じで新たな挑戦はスタートします。
前置きが長くなりましたが、この危機的状況を打開すべく試行錯誤するしかなかったわけです。
外国語で電話対応する際の7つのテクニック
①受話器を取った後の最初の受け答えははっきり、ゆっくりと
ここがまず勝負の分かれ目。
英語で言う、
''Thank you for calling Service Center of RBL, this is Shoot talking.
How can I hep you?''
の部分をとにかくゆっくり伝えることで、相手もそれに応じて比較的ゆっくりと話し始めてくれる傾向があることに気が付きました。
ちなみにここで名前を認識してくれて''Hi Shoot''のように言ってくれる人たちは、この後も寛容でこちらに気を遣って話してくれることが多いです。
②相手が名乗ったら、すかさず''Hi 〇〇''と応答
名前を覚えることは大事です。例えば内線を繋いだり、同僚に質問したり、一旦保留から戻ってきた時に相手を呼びかける必要があるため、毎度メモで控えている同僚もいます。
ここでのポイントは相手がバーっと話し始める前に一度相槌として名前を確認します。
話の勢いを柔らげる働きと共に、電話はファーストインプレッションが肝ということが経験からわかったので「こちらは聴く姿勢がある」ということを相手に暗示します。
③相槌は大袈裟に
上記と同様。把握してる情報が限られているのだから、理解しているところは自信を持って存分に。
④「自分が聞き取れた相手のフレーズ」をリピートし、繰り返し説明を求める
相手の話が長くなり大枠が掴めなくなってきたら、その時点で相手に繰り返してもらいます。「話している最中に口を挟まない礼儀」と天秤にかけた結果、こちらを優先。
例えば、全て説明し終わった後に「理解できなかったからもう一度話してくれない?」と言われれば「え、最初から?」と不快に思うはず。
一見「当たり前のこと」だと思いますが、振り返ってみてください。慣れない外国語でコミュニケーションを取っていると無意識的にこのように聞き返していることがあるかもしれません。
⑤用件が落ち着きを見せた時のひと笑い
雰囲気を制す者が会話を制します。和やかなペースに持ち込みましょう。これは電話に限らず鉄板ですね。
それ以前に自分が聞き返していたとすれば「なるほど、そういう意図だったのか。さっきはこう勘違いしちゃったよ」というように主張してもいいでしょう。
僕らが聞き間違えるということは「相手が意図した単語」と「僕らが聞き間違えた単語」が似ているというパターンが多いので、実は結構笑いに繋がることが多いのです。
⑥定番のSuper!
ドイツ人はことあるごとに''Super''と言います。
本来この単語は英語の''perfect''と同じような使い方をするのですが、とりあえず機嫌よく''Super''!と言っておけば、なんとかなるとかならないとか。そんな定番の表現を持っておくと良いでしょう。
⑦別れの挨拶こそ元気よく
「良い週末を」や「試合楽しんで」など最後に声をかけることが一般的です。そこまで深い意味はありません。
とは言え、素っ気ない感じのおじさんもやっぱり言われると嬉しくなり「同様に」と返してくれ、結果的に良い雰囲気で会話を終えることができます。「終わりよければ全て良し」とはまさにこのこと。
まとめ
いかがでしょうか。数ヶ月が経過し、以前と比べてまともに電話対応できるようになったと思いますが、上述のことは未だに意識をしています。
余談ですが、ちょっと面白い習慣があって僕らはどんな相手にも''Du''を使います。
これは友達や家族に用いる親称です。スポーツ界ではよくフランクに話すことが多いですが、明らかに目上の人に対しても親しみを込めて''Du''を使うように何度も上司から言われました。よって電話をかけてきたおじいちゃんに対しても基本的には親しみのある会話を心掛けます。これがRBLのカルチャーらしいです。(細かい例外はあるのですが)
さて、この記事で述べたテクニックはRBLのマニュアルでもなんでもなく、僕が勝手に試みているだけなのでご了承ください。
改めて言語化してみると、サービス業として当たり前のことを言っているなと思いました。しかしながら、意外と外国語になるとその当然のことも見逃しているかもしれません。
また、基本的なことなことを言えば多くのドイツ人は質問の際も結論から述べてくれ、発言が構造的で比較的理解しやすいです。とはいっても、みんなが構造的に質問するわけではないので、こちらも適切な聞き返しが必要になります。
情けない話ですが、「まともにドイツ語を理解できないのか」と顧客に呆れられてしまったこともあります。
チームの看板を背負っている責任があります。「本当にここで働くのに相応しいレベルなのか」と頭によぎったこともあります。
それでも、仕事を任せてくれる上司、同僚がいて、感謝をしてくれる人がいるのも事実です。
自分に求められているのは完璧なドイツ語を話すことではなく、「相手が必要な情報を正しく円滑なコミュニケーションを通して伝えること」。この本質を忘れないようにしたいですね。
それでは。